こんにちは!てんかんYouTuberの中村真二です。
あなたは、「てんかん」をご存知ですか?
てんかんは約100人に1人が持っていると言われていて、現在日本にはおよそ100万人の患者がいる病気です。
意識を失うなどの発作を繰り返し、自分の意志とは無関係に、勝手に筋肉が強く収縮する痙攣を起こすケースもあります。
僕は、そんな病気に16歳のときになりました。
それでも現在は、会社員として株式会社JOINXに勤めながら、全国各地で講演をしたり、「リンカーン中村」という名前でYouTubeやTwitterなどでの発信をしています。
僕が講演や、発信を通して自分の思いを届けているのには、理由があります。それは「てんかんで悩んだり、苦しんだりしている人の力になりたいから」です。
僕は高校1年の夏のある日、てんかんになりました。
自転車に乗っている途中で、突然意識をなくし、目が覚めると救急車の中にいました。
搬送された病院では、1日入院することになり、MRIなどの検査を行いましたが、特に異常はなく「おそらく貧血だろう」という診断。
しかし、それから約半年に1回のペースで、同じ症状が出ることになり、詳しく検査をした結果「てんかん」と診断されました。
みなさんは、てんかんというと、どんなことをイメージするでしょうか?
中には、「てんかん=意識を失って倒れる」というイメージを持っている人もいるかもしれません。
けれど、てんかんは人によって症状や原因が違い、例えば、意識を失わない発作もあります。なので「てんかん」は幅広い意味を持つ言葉なのです。
ただ僕の場合は、いわゆる全身の発作が起きます。このとき意識は全くなく、意識が戻った後も、何をしていたのか思い出すまでに時間がかかったり、一時的に記憶が飛んでいたりもします。
そんな病気になり、多くの苦労がありました。
毎日発作が出る恐怖に怯えたり、てんかんを伝えることで音信不通になる人がいたり、仕事の面接でてんかんがあることを伝えるとなかなか雇用してもらえなかったり…。
そんな現実は、次第に僕から生きる意味を奪っていきました。
しかしそんなある日、高校時代の友達の一言が、僕の人生を大きく変えることになります。
「てんかんって、すごい個性じゃん。」
てんかんを持っていることに対して悩む僕に対して、その友達は”個性”と言ってくれました。
「てんかんは、なろうと思ってなれるものじゃない。てんかんに何かを掛け合わせるかで、きっとすごい武器にもなるんじゃない?これから何でもやっていけるよ!」
『てんかんは個性。』
この言葉が頭から離れることはありませんでした。
もしもてんかんが僕の個性だとしたら、何ができるだろう…。
“てんかんを持っている自分にやれることなんてない”
そう思っていた僕の考えが、少しずつ変わっていきました。
そんなあるとき、テレビから衝撃的なニュースが流れてきました。
それは「てんかんを持つ運転手が交通事故を起こし、死者が出てしまった」というもの。
“自分と同じ病気を持つ人が、取り返しのつかないことをしてしまった…”
僕は言葉を失いました。
確かに、てんかんを申告せずに免許を取得するのはいけないことです。
てんかんを持っている以上、守らなければいけないものがあります。
しかし、てんかんのある人でも、もっと生きやすい世の中であれば、この事故は起きなかったとも思いました。
“てんかんを持っていても、受け入れてくれる世の中”、”車がなくても就職しやすい世の中”であれば、事故は防げていたかもしれません。
そのとき、僕の中にある感情が芽生えました。
「多くの人にてんかんのことを正しく知ってもらいたい。同じ病気で苦しんでいる人の力になりたい。」
少しずつ、自分のやるべきことが見えてくるようになり、講演活動をしようと決めました。
・てんかんを1人でも多くの人に知ってもらう
・てんかんを持っている人に元気や勇気を届ける
その思いを叶えるために、地元の中学校や高校などで講演活動を始めました。
さらに、2018年からはブログとTwitterをスタートし、多くの方に反応を頂けるようになりました。
また、2019年11月にはYouTubeでの発信も行い、2022年3月現在で、6,000人を超える方に登録して頂いています。
他にも、2021年にはオリンピックの聖火ランナーに選出されるなど、幅広く活動することができています。
これからも多くの方の目に触れることで、てんかんを知るきっかけになれればいいなと思っています。
そして、てんかんを持っていたとして、その人が生きやすい世の中だと胸を張っているように、これからも頑張っていきます。